「お部屋に写真を飾りたいけど、どんな写真を飾っていいかわからない」「賃貸だから壁を傷つけたくない...」など、写真をお部屋に飾るうえで出てくるお悩み。今回は、読者の皆様から募集した写真を飾る上でのお悩みを、スタイリスト大谷優依さんにお答えいただきました。

お悩みの中には、「実際に写真を飾るときに必要なアイテムを教えて欲しい」という実用的なものから、「おうちがおしゃれじゃないから、写真を飾ると浮いてしまわないか心配...」と言ったスタイリング面でのお悩みなどたくさんの声が寄せられました。実際に同じお悩みを持つおうちにお伺いし、実践的にお悩みに対する解決策をご提案します!

【Q】 壁を傷つけずに写真を飾る方法がわからず躊躇(ちゅうちょ)してしまいます!

【A】賃貸の壁に写真を飾る際のお助けグッズを活用しましょう

2404_01_02.jpg左:ひっつき虫 右上:スリーエム コマンドタブ はりかえ用タブ 右下:OTOKU 両面テープ

大谷さん:壁を傷つけるのを懸念される場合は、テープで固定する方法がおすすめです。しかし、普通のテープでは、作品が剥がれてしまう可能性もゼロではないので、作品を飾るのに適したテープをご用意ください。写真右側のスリーエム コマンドタブはりかえ用タブや、OTOKU 両面テープなどがおすすめです。また、ウォールデコ の場合はカジュアルタイプやキャンバスタイプなどの軽いものについては、ひっつき虫など比較的そこまで強力でないものでも問題ありませんが、重さのある作品を飾る場合は、粘着力の強いテープをお選び下さい。念のため、下には割れ物など置かないことをおすすめします。

*テープが強力な粘着力の場合、壁紙を傷つけてしまう可能性もあるため、マスキングテープを下地として貼ることをおすすめします、

*写真左手のひっつき虫はとても簡単につけられるため、補助的な役割として使うことをおすすめします。

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大谷さん:賃貸でも持ち家でも壁に飾るのをためらうときは、「置いて飾る」というのもおすすめです。配置のバランスがとりやすいので、初心者には最も簡単な方法だと思います。

今回は、ギャラリータイプのA4サイズでプリントしたものを、本棚に置いてみました。壁に飾る時は、飾る位置やバランスを難しく感じてしまうこともあると思いますが、置いて飾る場合は周りのモノと寄り添わせることで、空間に馴染ませることができます。写真の女の子の洋服に合わせて、植物と絵本など小物を置いてみました。四角いものが並ぶとバランスが取りにくいので、オブジェやパッケージの可愛い日用品などを一緒に並べると、ウォールデコがインテリアに馴染んでいくと思います。

【Q】家族写真をインテリアに馴染むように飾るコツが知りたい!

【A】写真選びも大事なコツ!インテリアと一緒に考えて配置してみよう。

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大谷さん:家族写真の場合、顔の一部がアップになった写真や、ぶれている写真などをあえて選ぶのもいいですよ。もしくは旅行写真などの抽象的な写真や、色が淡く優しい印象の写真を選ぶと、空間に馴染みやすくなります。
今回は、カジュアルタイプのスクエアminiを3枚並べて飾ることにしました。小さいサイズなので飾りやすさもあります。

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大谷さん:今回は玄関に飾ってみようと思います。玄関のような小さな空間は、写真を飾るのにはうってつけの場所。例えば、リビングにある大きな白い壁に飾るよりも、棚やドアが近くにある小さな空間に飾る方が、写真がポツンとした印象にならないので初心者にはおすすめ。

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並べることで、ギャラリー感が出ます

大谷さん:3枚の写真を等間隔に並べてみました。壁に飾る場合、人の目線の少し上の位置に飾ることが多いですが、今回は下の棚の小物に写真を寄り添わせたかったので、通常よりも少し下の位置に飾りバランスをとってみました。
棚にポツンと小物が置いてあるとバラけた印象に見えるので、大きめのインテリア小物を置きボリュームを出し、写真と棚がセットになっているよう工夫しています。3枚並んだ写真の中央と棚の中央を合わせると、バランスがとれて見えますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

【Q】部屋のどこに飾るのがおしゃれな空間を作りやすいでしょうか?

【A】初心者は、棚の上に小物と一緒に飾る方法がおすすめ。

大谷さん:いざ、写真を飾ろうとすると、壁に飾ることを思い浮かべますが、初心者にはすでに何か飾られている棚がおすすめです。何もないまっさらな壁に飾るよりも、バランスがとりやすく、簡単におしゃれな空間を作ることができます。棚にスタイリングをするときは、写真と雑貨の柄や色味を合わせて、一体感を出すのがポイント。空間にメリハリを出すには、写真の半分ほどの大きさの小物を周りに飾ると良いバランスが生まれます。今回は、モロッコの写真をキッチンの棚に飾ってみました。ポストカードのように雑貨の一部として飾りたかったので、余白のないカジュアルタイプのA4サイズにしました。キッチンなので、写真の周りには、食材やお酒の瓶や調味料を置いています。写真の中に出てくるアラビア柄に合わせてカフェオレボウルやカップなど飾ることで統一感を出しました。

【Q】どんな写真やウォールデコの種類を選べばいいかわからない!

【A】自分の写真から選ぶのが難しければ、フリー素材の写真を使うのもひとつの手。お部屋の雰囲気やトーンに合う写真を選んでみて。

大谷さん:写真素材を無料で使えるサイト「unsplash」から、写真を選んでみました。クオリティの高い写真がたくさん見つかるので、自分の部屋の雰囲気に合うものを探すのも楽しいはず。
今回は部屋のトーンになじむ配色で、主張しないけれど、抽象的なアート写真を選びました。部屋にアート作品を取り入れるような感覚で飾りたい方は、キャンバスタイプがおすすめ。作品の雰囲気もありつつ、立体的に見えるので壁掛けオブジェとしてアクセントになっています。

【Q】 生活感があふれがちな寝室をおしゃれにしたい。どんな写真を飾ればいい?

【A】小さな写真をさり気なくベッドサイドに。写真に合わせたインテリアコーディネートで楽しんで。

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大谷さん:こちらがスタイリング前の寝室の様子。インテリアとしては素敵ですが、写真の持つ雰囲気とお部屋のコーディネートが合っておらず、写真が浮いた印象に。

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大谷さん:写真に合わせたブルーの空間でコーディネートしてみました。写真が空間に馴染んでいますよね。サイドテーブルやスツールを寄り添わせ、 花瓶やアロマなどお気に入りのアイテムなどを飾ってみてください。ここでも、写真とインテリアの色を合わせることで統一感が出ます。サイドテーブルがあることで、お気に入りのアイテムを置くことができるため、寝室で快適に過ごす空間ができあがりますね。

【Q】リビングにある白くて広い壁、どんなものをどうやって飾ると部屋が素敵になる?

【A】寄り添わせの法則。椅子や柱など何かベースとなるものに寄り添わせましょう。

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大谷さん:リビングに飾る場合、ついつい一番広い壁を選んでしまいがちですが、実は面積がある程度限られている壁のほうが、配置の軸が決まりやすくおすすめです。

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大谷さん: 椅子に寄り添わせるイメージで、飾る位置を壁の中央から少し左側にしました。植物も左側にあるので全体的な重心が左になり、まとまりがでます。壁面をひとつのキャンパスと捉えて、どこに配置するか考えるとわかりやすいと思います。 写真のフレームがあることで空間が締まり、目線もあがるという効果も◎

【Q】複数枚写真を飾りたい。サイズや写真はどんなことを基準に選べばいい?

【A】 カラーは統一して、アンバランスな配置を楽しんでみて!

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大谷さん:複数枚飾る方法として、同じようなカラートーンで揃えるとまとまりが出ます。今回は大きなポスターの淡いグレーカラーに合わせて、グレイッシュな写真を組み合わせてみました。このコーディネートでは、一番大きいA3ポスターを軸にして、正方形の2枚でバランスをとりましたが、大きさの違うもので互い違いに並べるとアンバランスな配置が格好よくなります。

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ここでも寄り添わせの法則で、下に本や雑貨や植物など置くと馴染みます。植物は有機的な形なので、四角が並んだ空間のアクセントになるのでおすすめです。

どこに飾ったらいいのかわからないというお悩みに対して、いくつかルールを設けてみましたが、まずは自分の好きなところに飾ってみることが1番!
上手く行かない場合には、本記事内で紹介した

  1. 1:棚に置く・壁や家具に寄り添わせて配置する
  2. 2 :写真とインテリアの色や柄を合わせる

などを参考の上、位置を変えてみたり小物を足してみたりして、インテリアコーディネートと一緒に写真を楽しみながら飾ってみてくださいね。

大谷優依さん (@otaniyui

多摩美術大学環境デザイン学科卒業。エディトリアルデザイナーを経て、2012年インテリアスタイリストとして独立。主に、ライフスタイル雑誌をはじめとした女性誌を中心に、雑貨、インテリアの紹介、空間イメージのスタイリングを担当。その他、企業ブランドのカタログ、広告、空間演出などを手がける。

Photo by Warach Pattayanan

Writing by : 大谷優依

WALL DECOR(ウォールデコ)
お気に入りの写真をパネルにできるサービスWALL DECOR。どんな写真にもマッチするシンプルなデザインで、飾る場所も限定しません。今回は、お部屋の雰囲気や写真に合わせて、様々なタイプのウォールデコ を使用してみました。ご自身の好きなインテリアのイメージに合わせて、ウォールデコ の種類を選んでみては?
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