「夏の風物詩といえば、怪談話や心霊写真...!そう言えば、最近心霊写真って見かけなくなった気がしませんか?

ということで、今回は、心霊写真の秘密を探ってみようと思います。


心霊写真が撮れてしまう、本当の理由って...?

「心霊写真が撮れたんですけど...」

こうした全国から寄せられる問い合わせに何度も対応し、科学的な視点で原因を突き止めてきた写真解析の専門家がいます。

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その専門家とは、南 進さん。もともと富士フイルムで写真解析を担当されていたそう。

現在は、東京ミッドタウンの「FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)」でコンシェルジュを務められています。

「心霊写真って本当にあるの?どんな仕組みで撮れるものなの?」

そんな疑問を解決するべく、南さんにお話を伺いました。

***

─ ズバリ聞きます!心霊写真は、本当に何かが写り込んでいるものなんですか...?

南さん:これまでに何度も"心霊写真風"の写真を解析してきましたが、ほとんど二重露光が原因でしたね。二重露光とは、1コマに2つの画像が重なって写ること。同じフィルムで2回写真を撮ってしまうんです。

フィルムカメラが主流だった時代、うっかり二重露光で撮影してしまうことも珍しくありませんでした。使い切ったはずのフィルムを新品だと勘違いして、もう一度カメラに入れてしまうことが多いんです。外見だと新品と使用済みを判別しにくいんですよね。

そのまま撮影してしまうと、以前撮った写真の上に新しい画像が重なってしまい、何かが写り込んでいるような一風変わった写真が撮れることも。もしかすると、あえて妙な写真を撮って私たちを驚かせようとしていた方もいたかもしれませんね(笑)。

─ 気づかないまま奇妙な写真が撮れてしまったら、びっくりしそうですね!二重露光が原因で起こる心霊写真には、どんなものが多いのでしょうか?

南さん:よくあるのは、顔が浮かび上がるように写っているパターンですね。例えば、おばあちゃんを写したフィルムを数年後にカメラに入れて、そのまま使ってしまう。そうすると「そこにいるはずのないおばあちゃんの顔が写っている...!」なんてことが起こります。

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─ デジタルカメラが主流になった今では、"心霊写真風"に撮れることも少なくなったのですか?

南さん:そうですね。デジタルの時代になってからは、心霊写真に関する問い合わせはほとんどなくなりました。デジタルであればもう1度フィルムを入れてしまうこともありませんし、カメラの設定を変えない限り、二重露光はまず起こりません。

─ では「写ルンです」のようなフィルムカメラでは、"心霊写真風"に撮れるんでしょうか?

南さん:「写ルンです」はフィルムを取り替えられない仕組みで、二重露光が起こらないので"心霊写真風"に撮れないんです。「写ルンです」で撮った写真に何かが写っていたら、それは本物かもしれませんね......。

― ......!


"心霊写真風"に撮影するには?

南さんから教えていただいたように、心霊写真の多くは二重露光によるものなのだとか。特に顔が浮かび上がるように写り込んでいたり、ぼんやりとピントがずれているように見えたりすると、"心霊写真感"が増すようです。

デジタルカメラなら、シャッタースピードがポイント。シャッタースピードを遅くすれば、光がぶれたり動く被写体の残像が写ったりして、怪しげな写真を撮ることができます。スマホで撮った写真でも、アプリで加工するだけで奇妙な仕上がりになりますよ!


写真の初心者も楽しめる「チェキ」を使って遊ぼう

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今回は二重露光ができるほか、さまざまな楽しみ方がある、ましかくチェキ「instax SQUARE SQ6」を使って、心霊写真風写真の撮影に挑戦してみました。

実は、撮り方を少し工夫したりカメラの機能を活用したりするだけで、誰でも簡単に心霊写真風の写真を撮れるんです。その場でプリントされるチェキなら、プリントが浮かび上がる様子を見るわくわくも楽しめます!

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インスタントカメラならではの淡い色合いがノスタルジックな雰囲気もプラスしてくれます。ましかくチェキは従来のカードサイズのチェキよりも大きなサイズなので、インパクトも◎。


  • 1:そのまま撮影するだけ!簡単に撮れるミステリアス写真

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被写体の顔に直接日差しが当たるように撮影すると、そのまま撮影するだけで顔が白く飛んでしまいます。まるでのっぺらぼうのよう...!日陰をうまく使って、顔だけ光が当たるような場所を選ぶのがコツです。

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もう1つのコツは、この写真のように「ブレ」を活用すること。暗めの場所でシャッターを切る瞬間に被写体に身体を動かしてもらい、フラッシュを焚かずに撮影しましょう。これだけで、背筋がちょっと「ゾク...!」とするような不思議な雰囲気の写真の出来上がり。

この「ブレ」を応用すると、光の残像を火の玉のように写すこともできます。真っ暗な場所で被写体に懐中電灯を振り回してもらったり、暗い場所で光を撮るときにカメラを動かしながら撮影したりするだけ。カメラに詳しくなくてもすぐに撮れるので、友達と旅先で遊んでみるのもいいですね。


  • 2:フィルターを使って、一風変わった演出を

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instax SQUARE SQ6」には、フラッシュ部分に装着できる3色のカラーフィルターがついています。これらを活用して写真の色味を変えてみると、写真の印象ががらりと変化!

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使い方は、カラーフィルターをフラッシュに装着して撮影するだけ。写真は左から、オレンジ、グリーン、パープルのフィルターを使って撮影しました。フィルターの効果は暗部に出やすいので、暗い場所で撮るのがおすすめ。ちょっと色味が変わっただけで、見慣れた友人の表情や街の風景もいつもとは違って見えますね。



  • 3:遊び方がたくさん!二重露光モードにチャレンジ

南さんに教えていただいた「二重露光」。「instax SQUARE SQ6」の二重露光モードを使えば簡単に撮影できちゃいます。シャッターを2回押すだけで1枚のチェキに2枚の写真を重ねられるのですごく簡単です!

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二重露光モードを使うポイントは2つ。1回目にシャッターを切るときに「暗い色調」の被写体を写すこと。そして1回目に撮影した暗い色味に重なる場所に、2回目で人物を写すこと。

写真は左から、葉っぱと人物を重ねたもの、人物の髪の毛と全身を重ねたものです。黒い壁や鬱蒼と茂る草むら、髪の毛などの、はっきりと暗く写りやすいものがおすすめです。こうすれば、1回目の暗い部分に2回目の画像が鮮明に写ります。

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走っている人物と草むらを重ねてみました。歩いたり走ったり、動きのある姿を重ねてみると躍動感のある仕上がりに!暗いところで撮影すると被写体がブレるため、ぼんやりとした姿が映り込んでミステリアスさが醸し出されます。

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2回とも人物を写すなら、1回目と2回目に写した人物が重なりすぎないよう配置に気をつけましょう。1回目か2回目のどちらかだけカラーフィルターを使ってみたり、カメラを180度逆さまにして撮ってみたりと、遊び心をプラスしてみるのも◎。

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濃い色の洋服と人物を重ねれば、洋服の柄の中に人物の顔を写すこともできます。色の濃淡や柄によって写り方が変わるので、友達と撮りあいっこしながらベストな撮り方を探してみましょう♪

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少しの工夫を加えるだけで撮影できる、一風変わった写真たち。撮影場所や被写体、カメラの使い方の組み合わせによって、写真のアイデアは無限大!「こんなやり方はどうだろう?」「こうやったら心霊写真っぽくなるかな...?」なんて友達と楽しみながら、今年の夏はチェキを使って遊んでみませんか?

Photo by 小松崎拓郎

Writing by 笹沼杏佳

Editing by 菊池百合子

instax SQUARE(インスタックス スクエア)SQ6
人気のチェキシリーズから、2018年に新しく誕生。ましかくのプリントで、被写体そのものだけでなく背景やその場の空気感も切り取れるのが魅力です。シャッターを押すだけできれいに撮影できることはもちろんのこと、セルフィーモードやマクロモード、遠景モード、そして二重露光モードなどが搭載され、さまざまなシーンで撮影を楽しむことができます。
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