平成も残すところ2ヶ月をきりました。平成の32年間を振り返ると、さまざまなトレンドが生まれ、いろいろなできごとや転機があり、そして、ひとりひとりにとっても大切な思い出があることでしょう。

今回は、これまで『写真と、ちょっといい暮らし。』のインタビュー企画にご出演された方に平成を振り返ってもらい、「平成を代表する1枚」を教えていただきました。

唐田えりかさん

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1人目は、日頃からフィルムカメラで写真を楽しんでいる女優の唐田えりかさん。平成生まれということで「平成を振り返る=自分のこれまでを振り返るような気持ち」という唐田さんに、平成の思い出と写真の楽しみの変化を聞いてみました。

「私はこの21年、何があっても、どこに居ても、誰かの愛に包まれ守られて育ってきたなと感じています。出会う人々、環境に本当に恵まれているなぁと常々思います。

今まで何ひとつ無駄な経験などはなかったと、自分を形成してくれたのは私ではなく周りの愛しい皆さんだと思っています。私にとって平成とは、そういう時代です。

私よりも世代が上の方々は、きっとフィルムカメラからデジタルカメラに変わったと思いますが、私はその逆で、デジタルカメラからフィルムカメラに変わりました。デジタルは気軽に使用できて高性能なので美しい印象がありますし、もちろん大好きです。

でも、最近はフィルムカメラにどっぷりハマっています。フィルムの味が、なんともない写真を、『なんかいい写真』にしてくれるところが好きなんです」。

  • 唐田えりかさんの「平成を代表する1枚」

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「昨年の夏に、祖父の畑で撮った写真です。『平成を代表する1枚』ということで、選ぶのにとても時間がかかりましたが、家族の写真にしました。『写真を撮るよ』と言ったら、お花の前で待ち構えてくれて、そんな2人が愛おしくなったことを思い出します。

写真を見ると、撮った時の気持ちや状況、空気さえも思い出せるので、尊いもの。カメラが趣味で良かったととても思います。

平成というひとつの時代が終わるというのは、大きな締めくくりでもありますが、あまり意識していなくて...。今、このときを大事に、これからも変わらず好きな人を撮り続けて、宝物が増えたらいいなぁと思っています。次の時代ももちろん 撮ることを続けていきたいです」。

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WALL DECOR/ギャラリー A4(印画紙:パール)

このお写真はご実家に贈るのだそう。「家のどこかに飾ってもらえるとうれしいです」と唐田さん。

▶唐田えりかさんのインタビュー記事はこちら

田中美保さん

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モデルの田中美保さんに、「平成とは?」と聞いてみると、「青春を過ごした時代なのでやっぱり思い入れがありますね」との答えが。フィルムの時代にモデルデビューした田中さんには、フィルムカメラに思い出があるのだそう。

「やっぱりフィルム時代からモデルをさせてもらっているので、フィルムのかっこよさや写真の味がある感じが好きです。当時は、まず試し撮りして、それを見てから撮影する。そんな待ち時間があったんですよ。今では懐かしく感じます。時代はデジタルに移行していますが、今またフィルムやレンズ付きフィルムが流行ったりしていて、個人的にはとてもうれしいです。

時代は変わって進化していくけど、こうして過去も振り返って、その良さを気づけることは大切ですよね」。

  • 田中美保さんの「平成を代表する1枚」

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「若かりし青春時代の撮影中のオフショットです。当時は、レンズ付きフィルムをいつも持ち歩いていて、たくさんオフショットも撮ったなぁ〜。データで保存というよりプリントアウトして残すのが『私にとっての平成!!』って感じなんです(笑)。

沖縄の石垣島だったと思うのですが、本当に海と空が綺麗で、撮影というより旅行気分で楽しんでいました。この頃の写真を見ると、夢に向かってがんばっている気持ちを思い出します。なんでもかんでもガムシャラで楽しかった!

思い出を写真に残すことは素敵だし、なにより昔の写真を見返すのは楽しいので、これからも生活を切り取り、お友達や家族・愛犬・旅行先などたくさんの思い出を切りとっていきたいです。いつか振り返っても楽しめる写真がたくさん残ればいいな!」。

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WALL DECOR/キャンバス スクエア

「平成の楽しかった&がんばっていた頃の思い出がいつでも見えるように、リビングの見えるところに飾ろうと思います」と田中さん。

▶田中美保さんのインタビュー記事はこちら

松尾たいこさん

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イラストレーター・アーティストとして活動する松尾たいこさん。平成は、迷い悩んだ時間もあり、そして本当の自分に出会えた時代でもあるのだそう。

「平成がスタートした当時の私は自分にまったく自信がなく、"みんなと同じでいなくては"と日々を淡々と暮らしていました。その後、東京に出てきてイラストレーターになり、夫と出会いました。当時は、今の生活はまったく想像していませんでしたね。振り返ると激動の時代でした。

夫と出会い、初めての犬を飼い、イラストレーターとしてたくさんの仕事をさせてもらった平成です。最近15年一緒にいた愛犬が亡くなったり、悲しいこともあったけれど、私の人生に色を与えてくれてありがとうと思っています。これからも、風景にしても人との写真にしても、ハッピーを感じる写真をたくさん撮っていきたいですね」。

  • 松尾たいこさんの「平成を代表する1枚」

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「夫と出会ったのが2001年。この写真はその年の暮れに京都で撮ったときのものです。夫と出会った時に『ようやく私のことをわかってくれる人と出会えた』とホッとしたのを覚えています。

実はこの写真の存在をすっかり忘れていたのですが、『平成を代表する1枚』ってなんだろう?と、アルバムをパラパラ見ていて見つけました。まだフィルムで現像した写真です。すごく懐かしくて『あ、私たちの原点だ』と思い選びました。

その頃はイラストレーターとして駆け出しで自分に自信がありませんでしたが、夫から『あんなにいい絵が描けるんだから他になにもできなくてもいいじゃない』と言ってもらえたことで私はどんどん自由になれました。この写真を見て、そんなことも思い出せました。

以前は写真というと特別な日に撮るものだったのが、普通の中のちょっとしたうれしさや楽しさを写すものに変わったなあと思っています。記憶は薄れていくので、それを残してくれるって本当にうれしいことです」。

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WALL DECOR/キャンバス スクエア

この写真はどこに飾りたいですか?という質問に、松尾さんは「ホッとできる場所に置きたいです。辛くなりそうな時に初心に帰れる場所。やはりリビングですかね。でも、ドーンと真ん中というよりは壁の端っこで。ふと時々目にする場所に飾りたいです」と教えてくださいました。

▶松尾たいこさんのインタビュー記事はこちら

宮本りえさん

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「夢に向かって動いて、叶えて奮闘して失敗もして、緊張や快感も経験して、泣きごとを言いたくなっても進んで。自然の力を痛感したり、当たり前のありがたさや、友人・家族・周りの温かさを感じながら生きることができた時代」とモデルの宮本りえさん。

「平成という時代の中で、特にうれしかった思い出は、イタリアでコレクションに出演したとき。レディースラインでトップを歩かせていただきました。終演後、『レディースの方が評判良かったよ』とうれしそうにデザイナーさんから直接言われた時、モデルになって良かった!と思いました」と平成の思い出を教えてくれました。

  • 宮本りえさんの「平成を代表する1枚」

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「刺激をたくさん受けた平成。異文化に触れたときの写真を選びました!2013年にお仕事でバリに行ったときに、ホテルの周りを散歩しながら撮ったもの。自然の中で暮らす様子が伝わってきて、そして洗濯物の色合いもとても素敵だったので思わず撮らせていただきました。

大変なこともあったけれど、バリの自然やものを頭の上などにたくさん乗せて歩く人、笑顔をくれた人、動物たちに出会えたことに感謝しています。ありがたい経験は今も鮮明に覚えているものですね。

これからもいろいろな風景や人の笑顔を撮っていきたいと思います」。

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WALL DECOR/ミュージアム A4(印画紙:クリスタル)

▶宮本りえさんのインタビュー記事はこちら

今泉純さん

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娘さんの誕生で知った「尊さ」、SNSから再び始まった写真活動の「高揚感」、そして東日本大震災で感じた「恐怖」。平成を振り返ったとき、この3つのできごとが特に印象に残っていると語るのは、写真に対してより自由に接する今泉純さん。同時に平成という時代は、「写真」との関わりにおいても大きな変化があった時代だったと話します。

「平成という時代は、ネット環境の安定化により、これまで『記憶・記録』が主体となって個人に留まりがちだった写真も『発信』へと変わっていきました。トイフォトのようにモバイルで写真を撮ることが新しい写風・現象を生み出し、SNSによってグローバルな写真表現・特徴が吸収しやすくなったことで表現の競争心も芽生え、『垣根なき刺激の共有によって個々のモチベーションを引き上げてくれる大衆文化の一つが写真である・・ことを決定的にした』、と思うんです。そして、趣味として楽しむ、本物を目指すなど、個人が抱く写真愛を一層深める回帰点に立てた時代だったのかな...とも」。

  • 今泉さんが選んだ「平成を代表する1枚」

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「平成時代に撮った写真の中で私にとって最もエキサイティングだった写真です。2015年、apple社による世界的なイベント『Apple iPhone World Gallery (後のShot on iPhone )』で選ばれ、国内外のビルボード、雑誌、新聞、Appleのサイトなどに採用されました。私は合計3カットが選ばれたのですが、そのうちの1枚がこの娘の写真でした。自分の写真を選んでいただいた上に、被写体が自分の娘、加えて新聞の見開きいっぱいに...という現実が信じられないくらいのインパクトでした。

天国の父へ娘の写真を届けられたらという思いが再び写真を始めるきっかけになったわけですが、娘を被写体のひとつとして撮り続けることを諦めず、いろいろな工夫を試みていた記憶があります。それが実に楽しかったですね。今では娘の自我も目覚め、一層扱いづらくなってきましたが、だからこそいい写真が撮れるかなと思っています。

SNSで多様な写真が交錯する時代になりましたが、周りに流されず、惑わされず、カテゴリーに縛られることなく、自分の「今」の精神に合致した風合いある写真を撮っていきたいです。自分の持つ空気感を大切にしながら」。

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WALL DECOR/ミュージアム A4(印画紙:ラスター)

この写真はどこに飾りたいですか?という質問に、今泉さんは「家族が集まるリビングを重視しているので、そこに飾ろうかと思います。シンプルな空間づくりを目指しているのですが、現実はオブジェや飾り物でごっちゃになっています。飽き性なので、気分によって移動させたり、入れ替えたりして楽しみたいと思います(笑)」と教えてくださいました。

▶今泉純さんのインタビュー記事はこちら

「平成の思い出を教えてください」「平成を代表する1枚を見せてください」。その質問から、たくさんのドラマや思い出を知ることができました。

がんばった記憶、うれしかった思い出、なにかのきっかけとなる瞬間、何気ないけど愛おしいできごと...。あなたの平成を代表する1枚はどんな写真ですか?新しい時代を迎える前に、ぜひ、探してみてはいかがでしょうか。

Writing by 花沢 亜衣

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