写真を飾るだけで毎日が少し特別なものになる。「写真と、ちょっといい暮らし。」が今、気になる人に会いに行き、写真や暮らしを楽しむヒントを教えてもらうインタビュー。第6回に登場していただくのはアーティスト、イラストレーターとして活躍中の松尾たいこさん。今回は東京のご自宅にお邪魔し、暮らしにアートを取り入れるコツについて教えていただきました。

東京・軽井沢・福井の3拠点でアートを楽しむ暮らし

−松尾さんはなんと今、国内の3拠点を行き来しながら生活しているんですよね。

松尾たいこさん(以下、松尾さん):そうなんです。東日本大震災をきっかけに東京・軽井沢・福井の3拠点で生活をしています。大体、東京に2週間、福井に1週間強、軽井沢に1週間弱滞在して、作品制作をしたり、仕事をしたり。軽井沢では絵を描き、福井では陶芸をし、東京にいるときは映画館や美術館に足を運ぶなどインプットするのが理想の暮らし方です。

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−3拠点あるということは、家具もそれぞれ揃えるのでしょうか?インテリアのこだわりをぜひ教えてください。

松尾さん:3拠点あるので、家具は最小限です。ここ数年、何度か引っ越しをしましたが、その都度新品を揃えているとお金もかかりますし、何よりピカピカの新品家具だけだと落ち着かないことに気が付きました。福井の自宅はもともと移住体験施設として使われており、すでにテーブルや椅子があったのでそのまま活用。全体的にヴィンテージをミックスしたインテリアにしています。たとえばD&DEPARTMENTやIDÉEなどで新しく購入した家具に、60年代のアメリカのキャビネットを合わせたり。

−なるほど!ちなみにお家に松尾さんが制作した絵や陶器は飾っていますか?

松尾さん:どのお家にも飾っています。少し失敗してしまったり割れてしまったけど、個人的に気に入っている作品を飾ることが多いです。この鳥の陶器もよーく見ると割れてるんです。でも、捨てたくなかったので飾っています。

1805_08_03.jpg松尾さんが制作した鳥の陶器

松尾さん:あと、他の方の作品も飾るようにしています。自分も絵を描いていて、自分の絵がだれかの家に飾ってもらえたらうれしいので。東京の自宅玄関には写真家・市橋織江さんの写真を飾り、夫の部屋にもイラストレーターさんの作品があります。

アートを飾ることで気軽に部屋をイメチェン

−そもそも、なぜ松尾さんは絵や写真を飾るのでしょう?

松尾さん:うーん...、部屋の雰囲気をてっとり早く変えてくれるからです!

−てっとり早く変えてくれる、というと?

松尾さん:私、断捨離好きなので、できるだけモノを増やしたくないんです。たとえば家具をシーズンごとに変えるのは難しいですよね。でも絵や写真はそんなにかさばるものじゃないから、お気に入りのものがいくつかあれば季節やそのときの気分に合わせて、気軽に部屋の雰囲気を変えられるんです。だからアート作品やカーテン、ファブリックをこまめに変えることで模様替えを楽しんでいます。大体2カ月に1回は変えていますね。

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−たしかにお部屋はすっきりしているけど、所々にアート作品が置かれているのがかわいいですね。

松尾さん:以前、断捨離しすぎてガランとした部屋になってしまったんです。それがあまりにも味気なくて。自分が描いている絵や作品もそうですけど、ちょっと不思議だったり、怖いけど愛嬌のあるモノが好きなんです。すっきりした空間は心地よいのですが、それだけだと寂しいから何か味付けをしたくて、そういったお気に入りのアイテムを飾っています。

−松尾さんの場合は味付け部分にアート作品がある、と。

松尾さん:そうですね。私にとって飾ることは自分の生活に彩りを加えること。描く絵もインテリアもそうなんですけど、彩りがあることは私の中でとても大切です。

後編では松尾さんに絵や写真を飾るコツについてお話を伺います。お楽しみに!

松尾 たいこ(まつお たいこ)

アーティスト/イラストレーター。11年間勤めた地元の自動車会社を辞め32歳で上京し、1998年からイラストレーターに転身。これまで手がけた本の表紙イラストは300冊超。近年は陶器作品の制作やエッセイ執筆にも取り組み、ジャンルを越えて幅広い分野で活躍している。東京・軽井沢・福井の3拠点生活。

【衣装】ワンピース¥12,000、ベルト(参考商品)/ともにTITTI BOUTIQUE(070-3883-0393)

Hair & Make by 成澤雪江

Styling by 谷川夢佳

Photo & Writing by 忠地七緒

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