写真を飾るだけで毎日が少し特別なものになる。「写真と、ちょっといい暮らし。」が今、気になる人に会いに行き、写真や暮らしを楽しむヒントを教えてもらうインタビュー。第3回はフリーアナウンサーとして活躍する中村仁美さんにお話を聞いてきました。

「完璧な奥さんは目指さないと決めました」

昨年末フジテレビを退職し、今年から心機一転フリーアナウンサーとして活動を始めた中村さん。会社員時代と日々の暮らしは変わりましたか?

中村仁美さん(以下、中村さん):時間的な余裕ができ、ガラッと変わりました。6歳と2歳の子どもがいるので、会社員時代の朝はまさに戦場(笑)。「早く着替えて〜!」「ご飯食べて〜!」「歯磨いて〜!」と、いつも時間に追われていました。仕事後は家事を片付けて、子どもを寝かせて、すべて終わる頃にはぐったり。去年の今頃は家の空気が殺伐としていたんです(笑)。

殺伐...!(笑)。

中村さん:ある日、夫に簡単な頼みごとをされたとき「そんなこと自分でやってよ」と、イラッとした自分がいて。「今の生活を続けるのは限界かもしれない」と気づき、退職を考えはじめました。

今はいいバランスで過ごせていますか?

中村さん:きちんと夕飯を作れるようになったり、子どものお迎えに行けるようになったり。今まで積み重なっていくばかりだったあれこれに、ようやく向き合えるようになりました。幼稚園に送っていった帰りにゆっくり歩く道すがらや家で、子どもたちがきゃっきゃ笑っている瞬間を見ては、幸せだな〜と噛みしめています。

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中村さん:あと、無理をしなくなりました。昔はすべて完璧にやりたかったんですけど「部屋は少し汚くてもいい」「洗濯一回できなくても大丈夫」と命に関わらない部分は諦められるようになりました(笑)。

-子育てをしているお母さんの中には「完璧にしなきゃ」と苦しむ人も多い気がします。中村さんが諦めることができたきっかけは何でしょうか?

中村さん:全部やろうとすると、「キ―ッ!」となっちゃって...。夫に「キリキリするならごはん作らなくていいし、掃除もしなくていいよ。」と言われ...。
私はひとりしかいないし、夫はやらなくてもいいと言っている。「完璧な奥さんを目指さなくてもいいんだ」と吹っ切れましたね。



特別な日じゃない、いつもの日常を写真に

最近、心に余裕がてきたということですが、中村さんは普段、写真を撮りますか?

中村さん:すごく撮ります!子どものふとした瞬間を携帯電話やカメラで毎日撮っています。たとえば、おむつ替えてズボン履かせようとしたら「イヤだ〜!」って走り回っている姿とか、ごはんをおいしそうに食べているところとか...もう、全部かわいくって。子どもの動きは本当に一瞬なので、シャッタースピードを意識するようになったくらいです。

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中村さん:かしこまってカメラを向けると子どもが変顔するので、何気ない瞬間をパッと撮っています。ちなみに夫は私よりも写真を撮るんですよ。幼稚園に行く時間なのに「この瞬間は今しかないから撮りたい!」と言って子どもを連写していたりしていますね(笑)。

微笑ましい光景が目に浮かびます。4人で写真を撮ることはありますか?

中村さん:4人でも撮りますが、子どもと私が一緒にいるところを夫が撮ったり、夫と子どもがいるところを私が撮ることも多いです。子どもが自分に甘えている瞬間を写真に残せるとうれしいじゃないですか(笑)。子どもを抱っこしているときの写真を客観的に見て「背中に回したこの手がかわいい...」とかニマニマしています。

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よく「子どもとの2ショットが少ない」と嘆くお母さんの声を耳にするんです。だからご主人が撮ってくれるのはとても素敵です。

中村さん:私も夫も、お互いが子どもと触れ合っているのが好きだから、写真におさめたくなるのかもしれません。あとは単純に自分と子どもの写真が欲しい(笑)。そこはギブアンドテイクということで、写真を撮りあっています。

後編では撮ったあとの写真の楽しみ方についてお話を伺います。お楽しみに!

中村 仁美(なかむら ひとみ)

フリーアナウンサー。神奈川県生まれ。2002年にフジテレビへ入社し、2011年に結婚し、現在はご主人と2人の息子さんの4人暮らし。
昨年退社し、今年からフリーアナウンサーとして活動中。

【衣装】コート、ニット(Loungedress)/パンツ(EDWIN E STANDARD)/その他、スタイリスト私物

Hair & Make by yumi

Stylist by 丸本達彦

Photo & Writing by 忠地七緒

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