時を経るごとに変化していく家族。スタジオで正装して撮影するお宮参りや七五三の記念写真も素敵ですが、意外と思い出に残るのは、なんてことのない日常の写真だったりしますよね。できれば自分でも、上手に写真を撮りたいなぁと思っている人も多いはず。そこで今回は、プロのカメラマンに、セルフで「家族写真」を素敵に撮影するコツを教えてもらいました!
日常写真は家族のタイムカプセル
家族写真の撮影テクニックを教えてくれるのは、フォトグラファーの土田凌さん。雑誌やWEBをはじめさまざまな場で活躍されています。
「家族写真の魅力は、その時の家族の様子を1枚に残せること。後で見返した時、『あの頃、こんなことがあったね』と家族の思い出を語り合える楽しさがあります。日常のふとした瞬間を撮影することで、お子さんの成長記録にもなりますよ」(土田さん)
一般的に「家族写真」というとスタジオでの撮影を想像しがちですが、今回フォーカスするのはドキュメンタリータッチの自然体な家族写真。なので、特別な機材やセットは一切不要。お持ちのカメラを使って、ちょっとの工夫で素敵な写真に仕上がります。
まずは、以下のアイテムを準備しておくと便利です。
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一眼レフカメラ/ミラーレスカメラorスマホ内蔵カメラ
一眼レフカメラ/ミラーレスカメラは、雰囲気のいいボケ感のある写真を撮影するのにおすすめです(スマホでも撮影できます)。
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三脚
なくても構いませんが、あるといろんなところに立てて撮影できるので便利。スマホ用の三脚は100円均一ショップなどでも購入できます。
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リモコン
家族全員の集合写真を撮る時に便利です。最近は安価で購入できるワイヤレスリモコンもあるので、ひとつ手に入れてみては?
「おうちの中」で撮影する、リラックス風景
では、さっそくいろんなアイデアで家族写真を撮っていきましょう!まずは、家族でいちばん長く過ごすおうちの中での撮影アイデアです。
初級編
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日常の風景を切り取ろう
ソファでくつろぐ家族、ごはんを食べている子どもたちなど、日常風景を撮影してみましょう。その時に着ていた服や使っていた食器、好きだった料理などが写っていると、数年後に見返した時に会話が盛り上がるはず。フラッシュを使わず自然光で撮影すると、ナチュラルな雰囲気に仕上がります。日光が強い時は薄いカーテンを閉めて、曇りや雨の時はカーテンを開けて光を調整しましょう。
日常的な風景は、自然体の笑顔が魅力。ポケットにリモコンを忍ばせて、子ども達に気づかれないようにシャッターを押すのもおすすめです。
食事風景を撮影するときは、テーブルと同じ高さのアングルにすると◎。子どもの真剣な表情がきれいに撮影できます。
着替えや靴の脱ぎ履きシーンも、貴重な成長記録に!「この頃、ひとりで靴が履けるようになったよね」なんて会話も弾みそう。また、子どもと触れ合っているママの写真は意外と少ないもの。パパは、ママと子ども達の様子をたくさん撮ってあげてくださいね。
中級編
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「白い壁」を有効活用しよう
背景をシンプルにすることで、おうちの中でもスタジオ風の写真が撮影できます。ポイントは、床や柱を入れないこと。白い壁を生かして、紙吹雪などを使うと動きのある写真だけでなく、キラキラと輝く子ども達の表情が撮れます。
【Before】 床や柱が入っていると"お部屋感"が出てしまいますが...
【After】撮影した後に上下左右を切ってトリミングすると、スタジオ風の雰囲気に!
半分~2/3ほど余白を残すことでバランスの良いプロっぽい写真に仕上がります。また、このように紙吹雪が舞っていたり、子どもが走っているような"動きのある写真"は連写が基本。リモコンを使って連写すると一瞬のかわいい表情が撮影できますよ。
また、ちょうどいい壁がなければ、壁に大きな白紙や色紙を貼るのも手。撮影用によく使われるペーパーはオンラインショップで手軽に購入できます。
上級編
- 手前のドアやテーブルをボカしてみよう
ドアやテーブル越しに被写体を撮影すると、普段子ども達を見ている視線を再現することができます。パパママにとって、もっとも「懐かしい!」と感じる写真になるのではないでしょうか。
"前ボケ"は、一眼レフカメラ/ミラーレスカメラだけでなくスマホでも撮影できるので、ぜひ挑戦してみてください。
季節感も取り入れて。「屋外撮影」のアイデア
続いてご紹介するのは、屋外撮影のコツ。外での写真撮影は、木々や花、空の色や雲の形で四季織々の空気感とともに家族の成長を写真に収めることができます。
初級編
- 木や家の前で撮ってみる
シンボルツリーや自宅の前で撮影すると、それらの変化も一緒に思い出として残すことができます。毎回同じアングル、ポーズで撮影すれば、家族の成長と周りの風景の変化が一目瞭然。とても素敵な家族の記録になりますよ。
記録写真として撮影する場合は、被写体を中央に配置するのがおすすめ。安定感のある写真に仕上がります。
- 空を背景に撮ると雰囲気アップ
きれいな青空の下で撮る写真も素敵。家族の楽しい雰囲気が表現できます。
空を背景にする時に気をつけたいのが、光の向き。逆光になるときれいに撮影できないので、カメラの向きは必ず太陽を背にして、逆光にならないように撮影しましょう。
中級編
- 「いつもの通り道」もいい思い出に!
買い物や登園、通勤で毎日通っている何気ない道で撮影するのもおもしろいアイデア。「この道端に生えていた猫じゃらしでよく遊んだな〜」「この道でよく泣いてたよね」なんて、将来子ども達が懐かしがってくれるかも。
毎日通る道だからこそ、その時の会話や香り、音などが写真から思い出されますね。撮影するときは通行中の人や車にくれぐれも注意しましょう。
秋は稲穂の季節。自然豊かな場所は季節感たっぷりですが、住宅地でも住宅や公園の植栽を背景にすれば季節を表現することができます。
上級編
- 「植物目線」で撮影してみよう!
カメラを地面に置いて撮影すると、被写体の手前に植物が入り趣のある写真に。ボカしたい植物はできるだけレンズに近づけ、三脚などでカメラを固定して撮影しましょう。
植物や花に囲まれる家族の姿が素敵ですね。被写体からは少し引いた構図にすると、人物と背景のバランスがきれいに収まります。
番外編
- お互いを撮り合う『写ルンです』も新鮮!
ここまでは大人が撮影する家族写真のアイデアをご紹介しましたが、子どもの目線で撮影する写真も新鮮で味わい深いもの。『写ルンです』なら、軽くて操作も簡単なのでお子さんに渡しても安心ですし、フィルム特有のノスタルジックな写真を撮ることができます。
子どもの目線で撮影するナチュラルなパパとママの姿は、キッズカメラマンにしか撮れない作品!ピントがズレている写真があったとしても、それもご愛敬。また、"現像する"という楽しみがあるのも『写ルンです』の魅力です。ちょっぴり特別な日は子ども達に『写ルンです』を渡して、自由に撮ってもらうのも楽しいですよ。
何気ない今日が特別なものに
いつもの通り道、初めて自転車に乗れた公園、みんなで囲む食卓...忙しいとつい見逃しがちな家族の日常風景。写真として残すことで、そこにある小さな幸せを改めて感じることができるでしょう。1年後、10年後、そしてもっと先、みんなで写真を囲むのが楽しみになりますね。
また、とっておきの1枚が撮れたら、今年の年賀状にするのもおすすめ。写真を選べない!なんて方は、フォトカレンダーにして楽しむのもいいですね。今回ご紹介したアイデアとテクニックで、ぜひ素敵な家族写真を撮影してみてくださいね。
Photo by 土田凌
Writing by 小野喜子