都心から電車で1時間半、神奈川県横須賀市。海まで程近い郊外に居を構える写真家の柿崎豪さんと美容師の高山紗季さん。DIY可の賃貸古民家を自分たちの手だけでフルリノベし、廃材を活用したインテリアづくりや庭先での家庭菜園を楽しみながら、自然豊かな暮らしを送っています。

自分たちらしい生活を実践し、日常のなかで写真を楽しんでいる方のお話から、豊かな暮らしと写真の関係を紐解いていく連載企画【わたしの「写真と、ちょっといい暮らし。」】。

今回は、それぞれ写真は親しんできたものの、なかなか家に写真を飾る機会のなかったお二人に、「WALL DECOR」での写真選びでこだわったポイント、実際に写真を飾ってみた感想もお話しいただきました。

暮らしが変わったことで感じる被写体の変化、仕事の循環

セルフリノベした古民家に暮らす写真家・柿崎豪さんと美容師・高山紗季さん

----柿崎さんは写真家として活動されていますが、プライベートではどのようなお写真を撮られることが多いのでしょうか?

柿崎豪さん(以下、柿崎さん):僕は山登りが好きなので、登山のときや旅行先で、山や風景の写真を撮ることが多いですね。

----撮影の際に意識していることがあれば教えてください。

柿崎さん:自分自身の意図が写真に反映されすぎないよう、なるべく「意識しないように意識して」ますね。仕事で写真を撮らせていただくときは作り込みが必要ですが、プライベートで写真の良し悪しを考えてしまうと、逆にきれいすぎてしまって「ちょっと違うな」と思っちゃうんです。自分の意識が強すぎるものより、自然に写したもののほうがいいなと感じることが多いです。

セルフリノベした古民家に暮らす写真家・柿崎豪さんと美容師・高山紗季さん

----なるほど、写真家だからこその距離感の取り方にも感じられます。高山さんも、Instagramを拝見していると素敵なお写真ばかりですが、普段どんなふうに写真を楽しんでいますか?

高山紗季さん(以下、高山さん):Instagramではスマホで撮った写真と、豪くんにおすすめしてもらったデジタルカメラで撮った写真の両方を載せています。文章を書くのが苦手で、デジカメの写真だけだと、自分の言葉を重ねたときに不自然になっちゃう気がして......。だから、働いているお店や家のインテリア写真をのせるアカウントは文章少なめでカッコよく見せています(笑)。

セルフリノベした古民家に暮らす美容師・高山紗季さん

----昔から写真を撮るのが好きだったんですか?

高山さん:そうです。でも、豪くんと出会ってからもっと好きになりましたし、暮らしが変わったことで撮るものが変化したなと思います。東京にいた頃は、美容室のお客さまの髪の写真ばっかり撮っていたけど、今は人よりも風景や暮らしの一部が多いです。

セルフリノベした古民家に暮らす写真家・柿崎豪さんのウォールデコ

----柿崎さんは、この家に移り住んでから変化を感じたことはありますか?

柿崎さん:仕事で言うと内装の依頼が増えましたね。家の改装の様子をSNSで発信していたら、友達を中心に「今度店を出すから、その内装をお願いしたい」と言ってもらうことが増えて。逆に、内装の仕事から写真を撮っていることを知ってもらい、今度は写真の仕事に繋がることもあって。これも、この家に住んでからの循環のひとつだなと思います。

二人で旅した森のグリーンを、白壁のリビングに

セルフリノベした古民家に暮らす写真家・柿崎豪さんのウォールデコ

----これまで、あまり写真を飾る機会がなかったそうですね。今回の「WALL DECOR」が初めてとのことですが、どのような写真を選びましたか?

柿崎さん:二人で旅行中に、群馬の山奥で撮った写真です。確か八千穂高原に向かう途中だったと思うんですけど「ここ、いいな」って思って、車を降りて山に少し立ち入ったんです。前々から気に入っていた写真だったもののずっとプリントする機会を逃していたので、今回WALL DECORにできてよかったです。

セルフリノベした古民家に暮らす写真家・柿崎豪さんのウォールデコ

----WALL DECORの6種類から「ミュージアム」タイプを選んだ理由を教えてください。

柿崎さん:ミュージアムは印画紙(ペーパー)の種類も選べますが、それがフィルムで印刷するときと同じ銘柄で、僕としては馴染み深いものだったんです。それに、普通は印画紙にはフィルムで撮影した写真しか焼けませんが、WALL DECORならデジタルデータでも焼くことができる。自分がお気に入りのデジタルの写真で印刷してみたらどうなるんだろう? という興味があったので、ミュージアムを選びました。

印画紙は、結局「クリスタル」にしました。明度の高い部分が明るすぎず、黒が深く見える印象があったので、それが森の暗さと合うだろうし、黒い部分の変化が出るんじゃないかなと思ったんです。

セルフリノベした古民家に暮らす写真家・柿崎豪さんのウォールデコ

----リビングの白い壁に飾っていただいたのも、写真の色味やプリントを考えてのことですか?

柿崎さん:はい。もともとは、寝室のウッド調の壁に合うかなと考えていたのですが、実物を見てリビングに落ち着きました。いろいろ家の中で置き場所を考えてみたんですが、白い背景のほうが森のグリーンが綺麗に見えるなと。

森で感じた湿度、会話の記憶が蘇る

セルフリノベした古民家に暮らす写真家・柿崎豪さんと美容師・高山紗季さん

----実際に飾ってみて、いかがでしたか。

柿崎さん:単純に、写真を飾るっていいものだなと思いましたね。十分わかっているつもりだったけど、実際に飾ってみたことでより一層プリントすることの楽しさや、自分の写真が紙の媒体として存在する良さを実感しました。

高山さん:私もこの景色を実際に見ているけれど、湿度が高くて空気がもやもやしていたこととか、それを「かっこいいね!」って言って二人で車を降りたこととか、そのときの記憶や空気感が蘇ってきました。

気に入っている写真だと知っていたし、今までもスマホの画面で見てきたけど、プリントするとぜんぜん違う写真に見えるのが不思議です。

セルフリノベした古民家に暮らす写真家・柿崎豪さんのウォールデコ

柿崎さん:あと、個人的には壁掛けのしやすさにびっくりしました。写真貼付面と台座がマジックテープで外せるようになっているから、ビスの位置取りに失敗して台座が斜めにずれちゃってもまっすぐ見えるように補正できるんですよ。

初心者だとビスを水平に打つのも難しいと思うので、こういう細かい気遣いもめちゃくちゃいいなと思いました。

セルフリノベした古民家に暮らす写真家・柿崎豪さんと美容師・高山紗季さん

----今後も写真を部屋に飾りたいと思いましたか?

高山さん:私は、もっと小さなサイズのパネルや正方形のパネルも飾ってみたくなりました。

柿崎さん:そうだよね。僕も初めて家に写真を飾ってみたことで「もっと飾りたいな」という気持ちが芽生えてきました。写真を暮らしに取り入れることも増えていきそうです。

高山紗季さん(@_okayuuu
美容師。神奈川県真鶴町の美容室兼セレクト書店「本と美容室」店主。

柿崎豪さん(@kakizakigo
写真家。日本大学芸術学部写真学科卒。東京と神奈川を拠点に活動中。

Writing by 石澤 萌
Photo by 清家 翔世

WALL DECOR(ウォールデコ)
お気に入りの写真をパネルにできるサービスWALL DECOR。どんな写真にもマッチするシンプルなデザインで、飾る場所も限定しません。写真は「ミュージアムタイプ」。印画紙は、非常に高い光沢度とクリアな仕上がりの「クリスタル」を選んで制作。
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