台湾出身の李昀蓁(リー・ユンチェン)さんは、「東京建築女子」というInstagramアカウントで、日本各地の美しい建築を紹介し続けています。建築を学び、現在は設計事務所に勤めている建築一筋の彼女。撮影する写真はシャープでありながらどこか優しさも感じさせ、センスが光っています。
前回、彼女流の建築写真の撮り方について紹介してくださった李さん。今回は、ご自身の建築写真をお部屋に飾っていただき、写真選びのポイントや、飾った後の変化などを伺いました。
膨大な建築写真から、とっておきの1枚をお部屋に
----今までに500以上もの建築を見てきたそうですが、「東京建築女子」という名前でSNSの発信をはじめたのはいつ頃ですか?
李さん:SNSで建築の写真を発信すること自体は、2015年に日本に来てからしばらくして始めました。正式に「東京建築女子」という名前でFacebookページを作ったのは2017年です。
----好きな建築を巡るだけではなく、それをSNSにアップしようと決めたきっかけは?
李さん:最初は、写真と語学の勉強目的ではじめました。元々写真に興味があったので、写真を発表できる場ができて良い機会だなと思ったこと、そして当時は日本語を学んでいたので、文章の勉強もかねて日本語でSNSをやってみたかったんです。
----Instagramに建築をアップしつづけることで、何か変化はありましたか?
李さん:「東京建築女子」として本を出したり、ライターとしての仕事も増えたりしたことが大きな変化です。たとえばライターとしては台湾のWEBマガジンで日本の建築を紹介したコラムの執筆を担当しています。建築家のコンセプトから、実物を見たからこそ書ける自分の体験も紹介しているんです。
そして新しい施設のオープンの際には「見に来ませんか?」とお声がけしていただける機会も増えました。よりさまざまな建築を見学できるようになったことが嬉しいですね。
----今までたくさんの写真を撮影してきた李さんに、とっておきの1枚でWALL DECORを作っていただきました。初めてWALL DECORを手にした時の感想はいかがでしたか?
李さん:家に届いて箱を開ける時は、わくわくしましたね。実物を見た瞬間、プリントならではの質感が伝わってきて、すごく良いなと思いました。
POINT 1
建築を風景として楽しめる写真を
----WALL DECORの写真は、どこで撮影したものですか?
李さん:これは建築家・石上純也さん設計の神奈川工科大学のKAIT工房の写真です。私の大好きな建築のひとつですね。
----数ある中から、なぜこの写真を選んだのでしょうか?
李さん:まず、部屋に飾るなら、私が大好きな建築家である石上純也さん・妹島和世さん・藤本壮介さんの建築を撮影した写真から選ぼうと思いました。
その中でこの写真を選んだのは、白やグレーが多めの私の部屋に合うかどうかを考えてのことです。シンプルな白壁に建築が全面にでている写真を組み合わせると、どうも硬い印象で浮いてしまう気がして。木々や空など自然が入っている風景のような建築写真を選びたいと思いました。
POINT 2
写真の色合いや質感を、インテリアに合わせてチョイス
----白を基調とした写真が、お部屋の雰囲気とマッチしていますね。
李さん:部屋を白い家電や雑貨でまとめているので、インテリアと統一感が出る色合いの写真を選びました。
実は、この写真はフィルムで撮影したものなんです。ぼんやりと柔らかな感じがあり、そこも部屋の雰囲気に合っていると感じています。
POINT 3
飾る場所を決めてから、写真サイズやフレーム選びを
----WALL DECORは紙(印画紙)やサイズ、マット台紙や台紙まわり(テープ)の色を選ぶことができます。今回のものを選んだ理由を教えてください。
李さん:今回ギャラリータイプのA3サイズ、マット台紙はホワイト、そしてテープはライトグレーにしました。
マット台紙の色やテープの色は、部屋とのまとまりを考えながら、インテリアと同じホワイトやグレーで統一しました。
----飾る場所は、あらかじめ決めておいたのですね。
李さん:このテーブル脇の壁に飾ろうと決めていたので、ちょうど良い寸法を計測してサイズを決めました。ちゃんと測った甲斐もあり、ぴったりの大きさで、この空間にマッチしていると思います。
カタチにするからこそ、会話が生まれる
----WALL DECORを飾ってみて、何か変化はありましたか?
李さん:実際に飾ってみると、部屋が柔らかな印象になったなと思います。額縁で写真を飾る場合は、ガラスやアクリルが反射してしまいますが、WALL DECORはそれがないので写真が観やすく、部屋に馴染んで見えますね。
家に来てくれたみんなが見える場所に飾ったので、会話のなかで話題になることも多いです。
----ご友人の感想はどんなものでしたか?
李さん:「良いね」と写真を褒めてくれて、それが新鮮ですね。贈りものにもぴったりだねという感想もありました。自分用にもギフト用にも、また機会があったら、ぜひ作りたいです。
李昀蓁(リー・ユンチェン)さん
台湾出身、東京在住の建築士。「東京建築女子(@fuples)」というInstagramアカウントで、各地の美しい建築写真を発信し、注目されている。
Writing by 齋藤 萌
Photo by 清家 翔世