刺繍、イラスト、言葉など、ジャンルに限らず幅広い創作を手がける美術家の神尾茉利さん。特に、バリエーション豊かなステッチと明るい色づかいが魅力の刺繍作品は、多くの方の心をつかんでいます。実は、学生時代からチェキが大好きで、今もプリンタータイプを愛用しチェキライフを楽しんでいるのだとか。
今回、そんな神尾さんに、INSTAX"チェキ"シリーズに新たに加わった「INSTAX Pal™(インスタックス パル)」*1を体験していただきました。シリーズ初の「撮影」に特化したカメラで、プリント機能を切り離すことで手のひらサイズのコンパクトさを実現したINSTAX Pal。一体、どんな楽しみ方ができるカメラなのでしょうか?
5歳のお子さんがいる神尾さんに、実際に親子でINSTAX Palを使ってみた様子を教えていただきました。
"撮ること自体の楽しさ"が際立つカメラ
----神尾さんは学生時代からチェキを愛用されていたそうですね。子どもの頃から写真を撮ることがお好きでしたか?
神尾茉利さん(以下、神尾さん):そうですね。小学校高学年のとき、父親のお古で一眼レフカメラをもらったんですが、そのカメラでぬいぐるみが散歩しているような写真を撮っていました。写真に撮ることで、そのぬいぐるみが主人公の物語になるんです。
今でも作品をつくったら、それを写真に撮ることでストーリーに載せて誰かに届けたいと思っています。さらにその写真を書籍などのカタチにできたらなと。私にとっての写真は、作品を完成させるもの、誰かへ届けてくれるものみたいな存在かもしれません。
----最近、日常ではどんな写真を撮りますか?
神尾さん:月並みですが、食べものですね。おいしいものを食べたとき。あとやっぱり子どもが多いですね。
----お子さんと一緒に写真を楽しむこともありますか?
神尾さん:はい、子どもも写真を撮るのが大好きで。キッズカメラを持っているので、それで撮ったり、私のチェキを見ると使いたがったりしますね。とにかくパシャパシャ撮りたいみたいで、機械の操作を楽しんでいる感じです(笑)。
----今回、神尾さんにINSTAX Palを使っていただきましたが、使ってみた率直な感想をお聞かせください。
神尾さん:どんなふうに撮れているかスマホアプリで確認するまでわからない感じが新鮮で、フィルムカメラのようで懐かしいなと思いました。実際にデータを確認すると、想像していた画角と違ったり、思わぬ写真が撮れていたりするんです。
でも、「これも思い出だね」って言えるのは、"撮ること自体の楽しさ"が感じられるからだと思います。写真は"心が動いた瞬間に撮る"ことが重要なんだと、改めて実感することができました。
子どもの目線を知れる、新たな発見も
---- INSTAX Palで一通り撮影してから、落ち着いたときにアプリで撮れた写真をチェックする、という使い方だったんですね。
神尾さん:子ども自身が首から下げて撮ったり、アプリから遠隔でも撮れるので、自撮りをしたり。子どもがINSTAX Palを持ってうろうろしているときに、私がアプリでシャッターを押して撮ったこともありました。
たくさん撮ったらアプリでデータを確認して、同じような写真は消しますが、そのときに子どもが「これは消さないで」と言うことがあって。ピンボケの写真でも、本人にしてみれば大切なんだなと。
----お子さんが何を好きなのか、どんなことを大切にしているかを知る機会になりますね。
神尾さん:「そこに興味があったんだ」という、子どもの目線を知れるのは発見でしたね。キッズカメラは私もそこまでチェックしていませんでしたが、INSTAX Palはアプリで見られるので、それも楽しみで。
----特にINSTAX Palを使うのが楽しかったシーンはありますか?
神尾さん:旅行ですね。先日、長野の松本へ行きましたが、子どもは移動中の車のなかでもパシャパシャ撮っていました。遊び道具にもなってくれるし、写真は思い出にも残せるので、すごくいいなと。とても軽いので荷物にもならないですし。
神尾さん:とにかく、子どもとの相性がいいんだなというのは感じました。例えば公園で子どもたちに集まってもらって、それぞれINSTAX Palを持ってもらい、自由に撮ってもらう。その写真をみんなで発表し合ったら楽しいかもしれませんね。
----それは良いアイデアですね。すごく面白そうです!
INSTAX Palがあるからこその会話が生まれる
----もともとチェキを愛用している神尾さんですが、INSTAX Palならではの良さはどんなところだと思いますか?
神尾さん:コミュニケーションが生まれるところ、ですかね。見た目がかわいくて撮るのが楽しいのはもちろんですが、それだけで終わらず、「これは何を撮ったの?」「この時に撮っていたんだね」と、INSTAX Palがあるからこその会話がたくさん生まれました。
アプリの操作や、いろんな機能も楽しくて。アプリ上でINSTAX Palのキャラクターがプニョプニョ動くのもかわいかったですし、子どもの声でシャッター音の設定もしてみました。
「せえの」って入れたんですが、「せえの」の後にワンクッションあってからパシャって撮れるので、そのちょっとしたタイミングのずれも面白くて。自分の声が聞こえるのも、子ども自身、すごく気に入っていたようです。
----お子さんが楽しめるポイントがたくさんあるんですね。
神尾さん:INSTAX Palは小さくて軽いから子どもでも持ち歩けますしね。
それに、デジタルとアナログの両方の良さが感じられるのもいいなと思いました。もともと持っているキッズカメラは、液晶画面がついているので、それを見ることが何より楽しくなってしまう傾向にあって。
神尾さん:その点INSTAX Palは画面がないから撮ることに集中できるし、チェキフィルムでプリントする写真を厳選する作業が、写真の有限性を学べる機会にもなるのかなと。
フィルムカメラを子どもに持たせるのは、フィルム代を考えると費用面で難しいなと思っていたので、デジタルとアナログ両方の良さを持つINSTAX Palは、ぴったりでした。
すぐプリントできるし、プリントするのも楽しい
----撮影した写真は、プリントもされましたか?
神尾さん:はい、INSTAX mini Link 2でプリントしました。子どもはアプリで自分が撮った写真にスタンプを押すのがすごく楽しかったみたいです。
神尾さん:旅行のときの写真をプリントして、アルバム作りもしました。子どもが小さいときは育児日記を毎日つけていましたが、今はもうやらなくなってしまって......。旅行とか特別なときだけ作っています。
普通の写真プリントだと、どこで印刷するかとか考えているうちに時間がたってしまうこともありますが、チェキなら自宅ですぐプリントできるし、プリントするのも楽しいのがいいですよね。フィルム自体がかわいいので、無造作に貼っても絵になるんです。
----すてきですね。これは作ったあと、お子さんにも見せたり、飾ったりしているんですか?
神尾さん:はい、このアルバムも開いて飾っておいたら、たまに見て喜んでいましたし、小さい頃の写真をまとめたアルバムもよく見返していますね。子どもにしてみると見返すという感覚じゃないかもしれませんが(笑)。見ながら一緒に話をすることもあります。
でもそれって、カタチにして置いておかないとできないことですよね。データを画面で見るのとは違う。
----モノとしての質感がプラスされている?
神尾さん:そうですね。その点ではチェキフィルムの質感って、いいですよね。淡い風合いで写るのが。その場の楽しさや雰囲気は残るけど、生々しくは残らないというか。そのチェキフィルム特有の感じ、すごく好きです。
集めているような感覚が楽しい
----お部屋の棚には、フレームでもチェキで撮った写真を飾ってらっしゃるんですね!
神尾さん:そうですね。これはドーナツパーティーをしたときの写真ですが、横長のフレームは子どもが小さいときからのチェキプリントを並べてみようと思って、今回新たにINSTAX Palで撮った写真も加えて飾ってみました。
----写真以外にも、この棚全体が楽しげな雰囲気ですね。「飾ること」のこだわりはありますか?
神尾さん:インテリアとして飾ることにこだわりがあるというよりは、自分が好きと思えるものが、そこにあることでうれしくなる、そのために飾っているのかもしれません。だから、写真もパッとみて嬉しいもの。それが今は家族写真や子どもの写真ですね。
チェキフィルムはサイズ感も良いですよね。私も夫も、おもちゃなどの"モノ"を収集するのが好きで。写真も、チェキフィルムを集めているような感覚が楽しいのかもしれません。
----集める楽しさがあるんですね。
神尾さん:普通の写真だとたくさん並べられないけど、チェキは小さいものが集まっていく感じがわくわくします。シールとかカードのような感じで、楽しい気持ちになれるんです。
写真も、創作も、気持ちの動きを大切に
----集めることもアナログの楽しさですよね。今のお子さん世代には、アナログに触れる機会も大事かもしれませんね。
神尾さん:子どもがいろんなことに対して、無限だと思っていることが多いように感じていて。写真も、無限に撮れるものではないという意識があるからこそ、気持ちが動いたときに撮る、ということが際立つと思います。
INSTAX Palはシンプルな操作で撮影できるので、子ども自身が心の琴線に触れた自分のタイミングで撮影しているようでした。チェキプリントに触れて、少しでもアナログの良さを知ってもらえたらいいなと思います。
----最後に、神尾さん自身が今後どのような創作活動をされていきたいか、お聞かせください。
神尾さん:最近は、子どもと過ごしているからなのか、「かわいい」とか「楽しい」とか、ぱっと気持ちが動くものをつくるのが楽しいなと思うようになって。そういう作品をつくっていきたいです。
他には、やっぱり本をつくることがすごく好きで、自分の作品を撮影してもらう時間が大好きなんです。ハウツー本だけじゃなくて、絵本など、いろんな本をつくってみたいです。あとは、アニメーションはいつかやりたいです。刺繍や絵を動かしてみたいです(笑)
----盛りだくさんですね!これからの活動も、楽しみにしています。
神尾茉利さん
1985年生まれ。刺繍・絵・言葉で広告やプロダクトを手がける美術家。
小説のなかに描かれる刺繍を空想する刺繍の本『刺繍小説』(扶桑社)、『ステッチをたのしむ刺繍レッスン』(河出書房新社)などを手がける。オーダーを受け刺繍でつくる「おなまえワッペン」も人気。
WEB:http://kamiomari.com/
Instagram:https://www.instagram.com/kamio_mari/
Writing by 秋山 史織
Photo by 清家 翔世
*1 INSTAX、チェキ、INSTAX PalおよびINSTAX Linkは富士フイルム株式会社の登録商標または商標です。
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