同じ写真でも、プリント方法によってその印象は大きく変わるもの。特にお気に入りの写真やとっておきの一枚は、そこに写る空気感までしっかりと残したいですよね。

そんなときこそ選んでほしいのが、富士フイルムの『プレミアムプリント』です。最高峰の銀塩技術を用いたこのプリントサービスは、なめらかな階調や奥行きのある質感を引き出せるのが特長。染料や顔料を紙に吹き付けるインクジェットとは一線を画す、銀塩ならではの繊細な表現を楽しめます。

このサービスを支えているのが、「プリントマイスター」と呼ばれるプリントのプロフェッショナルたち。
今回は、プリントマイスターとして働く入社3年目の重松さくらさんに、知られざるその仕事内容とプリントへのこだわりについてお話を伺いました。

重松さくら
富士フイルムイメージングプロテック株式会社 イメージング生産部。2024年に入社し、コンシューマーイメージング作品グループに配属。数々の作品プリントを手掛け、プリントマイスターに。


データの色は再現できない。その思い込みを変えた今の仕事との出会い

富士フイルム「プリントマイスター」の重松さん

----まず、プリントマイスターのお仕事内容について教えてください。

一言で言うと、「理想のプリントを追求する仕事」ですね。

プレミアムプリントの作成時に、お客様ご自身で色調などを調整できる「選択仕上げ」や「ストレート仕上げ」のほかに、私たちプリントマイスターが色調補正をする「ラボお任せ仕上げ」があります。

「ラボお任せ仕上げ」では、主に明るさや色味、コントラストを調整しますが、特に大切にしているのは、お客様の世界観を損なわないこと。そのうえで、プリントした写真が美しく仕上がるよう、一枚一枚補正を行っています。

----写真にとことん向き合うお仕事なんですね。重松さんは自ら希望してプリントマイスターになったそうですが、もともと写真に興味があったのでしょうか?

はい。大学時代から趣味で写真を撮っていて、その頃から編集ソフトを用いて自分なりに写真の補正もしていました。写真展に出すためにインクジェットで写真をプリントしたこともあるんです。

ただ、そのときプリントした写真が、画面で見ていた色と全然違っていて。その経験から、データとプリントでは色が変わるのが当たり前と思っていました。

だから、プレミアムプリントを知ったときは衝撃でした。「こんなに狙い通りのきれいな色でプリントできるんだ」って。

富士フイルム「プレミアムプリント」B0サイズ
最大B0サイズまでプリントできるプレミアムプリント

----プリントの方式によって、そんなに仕上がりが変わるんですね。

そうですね。そもそもPCやスマホの画面は「光の三原色(RGB)」で構成されていますが、インクジェットは「色の三原色(CMYK)」で刷るため、どうしても色の変化が起きてしまいます。例えば、画面では鮮やかに見えていた色も、インクジェットだとくすんだ色に見えてしまうことも......。

その点、プレミアムプリントで採用されている銀塩プリントは、「印画紙」と呼ばれる発色する紙にレーザーを当て、光で色をつくる仕組みです。そのため、画面で見ていたなめらかなグラデーションや繊細な色味を、自然に再現できるんですよ。

富士フイルム「プリントマイスター」重松さくらさん

ただ、銀塩プリントでも、オリジナルデータの色を完全に表現できないことがあります。そこを人の目と技術で理想の仕上がりへ近づけていくのが、私たちプリントマイスターの仕事。この仕事を初めて知ったときは、一枚の写真にここまで向き合う世界があるんだと、とても魅力的に感じました。

頼れるのは自分の感覚。泥臭く経験を積んで磨いたプリントの技術

富士フイルム「プリントマイスター」が写真の補正をする様子

----普段はどのような流れで補正作業を行っているのでしょう?

1日の流れとしては、まず出社したらお客様から届いた写真を確認。その後、被写体やオーダー内容に合わせて、写真の色味や明るさを一枚一枚補正していきます。

それが終わったらプリントをして、狙い通りの色が出ているか、傷がないかなどをチェック。少なくて1日に20〜30枚ぐらい、多いときは100枚以上もの写真を補正しています。

ちなみに、このラボでは正確に補正できるよう、作業環境も徹底して整えられているんです。たとえば室内の蛍光灯には、色を正しく見るための「色評価用」を使用していますし、外の光の影響を受けないよう、日中でも窓のブラインドは閉め切られています。

さらに、補正に使うモニターは、使用時間が300時間に達するたびに、発色や明るさを印刷物の基準に合わせるキャリブレーションの実施が義務付けられています。画面で見た色とプリントの色に差が出ないよう、こまめに管理することも私たちの仕事の一部なんです。

富士フイルム「プリントマイスター」がモニターのキャリブレーションを行う様子
専用の機械を用いてキャリブレーションを行う様子

----入社したての頃から今に至るまで、どのように技術を磨いていったのでしょうか?

ひたすら実践を重ねていきました。お客様から届いた写真データを自分なりに仕上げては、先輩方に見ていただいてフィードバックをもらう。品質チェックでOKが出るまで、それを何度も繰り返す......という感じでしたね。

座学で学べればいいのですが、被写体や印画紙の種類によって最適な補正方法は異なるので、やっぱり最後は自分の感覚が頼りになるんです。その感覚を体に覚え込ませるために、とにかく経験を積んでいきました。

「ラボお任せ仕上げ」でコントラストを調整している様子
「ラボお任せ仕上げ」でコントラストを調整している様子

---- 経験を積むなかで、自分なりに意識していたことはありますか?

プリントをすると、画面で見る以上に細部が気になるんです。それに気づいてからは小さな街灯の光に至るまで、本当にきれいに表現できているか、意識してチェックするようになりましたね。

理想の一枚へ近づけるために。写真のストーリーを読む職人の視点

富士フイルム「プリントマイスター」重松さくらさん

----多くの経験を経た重松さんが、補正において心がけていることはありますか?

写真からストーリーを読み解くことですね。例えば、同じ緑でも、春なら新緑の色にしますし、夏なら青みのある濃い緑にします。流行に敏感な方の作風だと感じれば、トレンドのトーンに寄せてみたり。撮影したときの空気感やお客様が写真に込めた想いを、補正で再現できるよう心がけています。

また、印画紙の種類によっても色の見え方が異なります。ストーリーを読み解きつつ、お客様が選択した印画紙の種類に合わせて最適な補正をしていくことが大事になります。

富士フイルム「プレミアムプリント」面種見本帳

---- 写真が持つストーリーや、選ぶ印画紙の種類によって、補正のアプローチは具体的にどう変わるのでしょうか。実例をもとに教えてください。

ではまず、光沢があり鮮やかな色表現に優れた「グロッシー」の写真から。

富士フイルム「プレミアムプリント」の補正比較
手前:「ラボお任せ仕上げ」/奥:「補正なし」

この秋の風景は、やっぱり紅葉が主役なので、その印象を強めるために、赤色の彩度をほんのりと上げました。

富士フイルム「プレミアムプリント」の補正をしている様子

最初は、コントラストや彩度を上げるために、トーンカーブを持ち上げましたが、左側に写っている植物の白い部分が目立ちすぎてしまいました。

その後、先輩からのアドバイスを受けて、この白い部分が目立ちすぎないようトーンカーブを調整し、全体的に秋らしい空気が出るよう補正しました。

印画紙「グロッシー」にプリントした富士フイルム「プレミアムプリント」

同じくグロッシーを使用した例でいうと、こちらの鳥の写真もそうですね。この写真は、背景の木に葉がないことから冬の写真だと判断したので、明るさや彩度は大きく調整せず、沈んでいる暗い部分だけシャドウを持ち上げました。

これがもし春の写真だったら、グリーンの彩度をもっと上げるなど、また違うアプローチをしていたと思います。

印画紙「パール」にプリントした富士フイルム「プレミアムプリント」

次に、ハイライトに輝きが出る「パール」で仕上げた夜の写真。これは、寒い季節の写真だと感じたので、海上に発生している霧の質感を際立たせ、冬の空気感を強調しました。

あわせて、夜空も際立たせたのですが、その際に船の存在感も強まってしまって。先輩の助言もあり、あえて船の明るさだけを抑えて全体のバランスを調整。それによって、夜の静寂が際立つ仕上がりになっているかと思います。

印画紙「クリスタル」にプリントした富士フイルム「プレミアムプリント」

光の反射率が高い「クリスタル」は、コントラストが映える印画紙。この球体の写真とも、相性抜群です。

印画紙「クリスタル」にプリントした富士フイルム「プレミアムプリント」

ただ、クリスタルは印画紙自体に少し黄色味があるため、そのままだと球体の白色がわずかに濁ってしまうんです。かといって、明るさを上げすぎるとハイライトが飛び、輪郭がなくなってしまう。

そのため、明るさは変えずに青みを足すことで濁りを取り、白さを引き出しました。

印画紙「グロッシー」にプリントした富士フイルム「プレミアムプリント」

グロッシーにプリントしたこの写真は、全体的に暗いので、少し補正するだけで大きく印象が変わってしまいます。そういった写真は、あまり補正しすぎないようにしています。

印画紙「グロッシー」にプリントした富士フイルム「プレミアムプリント」写真の中でも特に暗くなっている部分。ここの濃度を下げることで輪郭が出るように調整。

印画紙「ラスター」にプリントした富士フイルム「プレミアムプリント」

半光沢仕上げの「ラスター」は、反射がゆるやかで指紋もつきにくいため、記念写真によく選ばれる印画紙です。

今回の家族写真は、もともと黄色みがかっていたのですが、それをあえて残すことで、家族の温かみを表現しました。

そのうえで、泣いている赤ちゃんと後ろの二人の子どもたちの感情のコントラストを表現するために、赤ちゃんのみお肌にほんのりと赤みを足して仕上げています。

印画紙「ディープマット」にプリントした富士フイルム「プレミアムプリント」

最後は、反射を極限まで抑えた無光沢紙の「ディープマット」。この印画紙は、大きなサイズでプリントするとのっぺりとした印象になりやすいため、今回はあえてコントラストをつけ、山の連なりが際立つようにしました。

また、山にかかる光芒もしっかり見せたかったので、ハイライトで調整もしましたね。

ちなみに、無彩色に近い色合いの写真は、プリンタの状態によって大きく左右されるので、補正が特に難しいんです。そのため、写真を見たときの印象が温かいのか、冷たいのかを判断して、色が少ない中でも細かく色味を調整し、もともとの雰囲気を守りながら補正するようにしています。

大切な思い出を色あせない一枚に。プレミアムプリントという選択

富士フイルム「プレミアムプリント」

----補正の実例を拝見して、まさに職人技というか、言われないと気づかない細部まで気を配られていることに驚きました。そんな重松さんの、今後の目標を教えてください。

作業のスピードやクオリティを落とさないことは継続して意識しつつ、今後はより細かな違和感に自力で気づけるようになりたいですね。

先ほどの白い植物や夜景の船のように、先輩にアドバイスをいただいて初めてハッとする部分がまだまだたくさんあって。そうした細部にまで、自分の力で行き届くようになるのが目標です。

富士フイルム「プリントマイスター」重松さくらさん

----最後にこのプレミアムプリントはどういう人におすすめだと思いますか?

プレミアムプリントは、89mm×89mmの小さなサイズからB0サイズまでサイズ展開が豊富なうえに、パネル加工・裏打ち加工といったオプションもあります。

そのため、カメラを趣味にされている方の作品づくりや、ご自宅に飾るインテリアとしてのプリントはもちろん、結婚式のウェルカムボードなど、人生の節目を飾る瞬間にもぜひ活用していただきたいですね。

富士フイルム「プレミアムプリント」B0サイズ
B0サイズの大きなプリントにも対応

また、銀塩プリントは、光による色あせに比較的強いのも大きな特長。そのため、成人式や家族写真など、ずっと残したい写真のプリントにもぴったりだと思います。

プリントする前に面種見本帳も注文することができるので、ぜひその質感の違いを感じながら、とっておきの一枚をプリントしてみてほしいです。


Writing by しばた れいな
Photo by 杉保 毅留

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プレミアムプリント
プロだけではなく誰もが「最高の銀塩技術で最高の写真プリント」を仕上げられるサービスでこだわりの作品や思い出の写真を、プリントマイスターが、銀塩ならではの見応えのある表現力で描き出します。
面種見本帳
「作品つくり」をする際にとても便利な、印画紙サンプルセット。

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