「写真を飾る」それだけで、日々の暮らしが少し特別なものになる。『写真と、ちょっといい暮らし。』が気になる人に会いに行き、写真や暮らしを楽しむアイデアを教えてもらうインタビュー。今回は普段からカメラを持ち歩き、写真のある生活を楽しんでいるモデルのKanocoさんにお話を伺いました。

光の描写が美しくてカメラの虜になった

−Kanocoさんは普段から写真を撮って、雑誌やSNSなどで公開していますよね。そもそもいつから写真を撮りはじめたのでしょうか?

Kanocoさん:上京し、モデルの仕事を始めてから少し経った頃に自分でも撮りはじめました。6年くらい前でしょうか。この仕事を始めるまではデジタルカメラとフィルムカメラの違いすら分かっていませんでしたが、撮ってもらった写真を見比べてみると、質感や色合いがフィルム写真の方が好きでした。

−最初にフィルムカメラで撮った写真を好きになったんですね。そこからご自身で写真を撮りはじめたきっかけは何でしたか?

Kanocoさん:ある日、渋谷の街をぼーっと歩いていたとき、急に「インスタントカメラってフィルムカメラじゃない?」とひらめいて。すぐカメラ屋に駆け込んで、「写ルンです」を買ったのがはじまりです。

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−初めて撮った写真を覚えていますか?

Kanocoさん:渋谷の街に咲いていたさるすべりです。さるすべりの花ってすごく色鮮やかに咲くんですよね。都会のガヤガヤした感じとその美しさがマッチしていない感じが逆に良くて、シャッターを切りました。
現像したらふわ〜ってきれいに光が入っていて、白い点々がぽんぽんぽんって写真に写っていて。見た瞬間、「うわ〜!」って心奪われました。
光や影ってさわれるものでもないし、写真では撮れないとずっと思っていたんです。でもフィルムで撮ると光も影も写る。その描写に感激したんです。それからフィルムカメラの虜になりました。

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渋谷の街に咲いていた夜桜

−私もフィルムカメラを使っていますが、現像が上がってきたときの高揚感はたまらないですよね。ちなみにKanocoさんは今も「写ルンです」を使っているのでしょうか?

Kanocoさん:今は工事現場の記録撮影などで使われるカメラをメインで使っていて、他にも一眼レフカメラとコンパクトフィルムカメラなど6〜7台のカメラを使い分けています。
カメラは細かい設定をせずにさっとシャッターを切れるコンパクトカメラが好きです。ほぼ毎日持ち歩いていますが、その日の気分によって撮る日もあれば撮らない日もあります。フィルムは最近は「SUPERIA Venus 800」を使うことが多いですね。

細かいことは考えず直感でパッと撮る

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−今回はお気に入りの写真を持ってきてもらいました。こちらの6枚を選んだ理由はありますか?

Kanocoさん:単純に好きな写真ですね。撮影した写真は他にもいっぱいあるんですけど、お見せできるような写真はあまり多くないです(笑)。被写体は見ての通り風景やお花が多いですね。家族は別ですが、基本的に人を撮るのが苦手なんです。なんか、早くシャッターを切らなきゃって焦ってしまって...。

−たしかにお花の写真が多いですね。

Kanocoさん:お花はよく撮っています。1本だけ植えてあるのも好きですし、ぶわ〜って咲き乱れているのも好きですね。バラの花束が写っている写真(上中段)は、以前西麻布の交差点にあった小さな花屋さんで、ファインダーをのぞかずパッと撮ったものです。

−ファインダーをのぞかずに撮るんですね!

Kanocoさん:そうなんです(笑)。お散歩している途中に突然美しい光が現れたときとか、咲き終わった花が地面一面に広がっていたりとか...。「ああっ、キレイ!撮らなきゃ!」という衝動に駆られて、1秒くらいでパッと撮っています。

−じゃあ現像した写真にはその瞬間たちが詰まっているんですね。

Kanocoさん:そうなんです。だからいつも現像するのが楽しみです。

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後編ではKanocoさんに「写真を撮った後の楽しみ方」についてお話を伺います。お楽しみに!

Kanoco(かのこ)
モデル(BARK in STYLe所属)。兵庫県生まれ。雑誌広告などで活躍するほか現在「カロリミット」のCMに出演中。無類のシロクマ好き。
BLOG:https://ameblo.jp/mash-ro0m/
INSTAGRAM:https://www.instagram.com/kanococo/

【衣装】ブラウス¥29,000、デニムパンツ¥18,000/ともにネセセア(ケイエムディーファーム)
【問い合わせ先】ケイエムディーファーム 03-5458-1791

Styling by 山口香穂

Hair & Make by 吉川陽子

Photo & Writing by 忠地七緒

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「写ルンです」シンプルエース27枚撮り。撮ってすぐ見れる時代だからこそ、すべて撮りきるまでどんな写真が撮れているかわからない、フィルムならではのレトロでアナログな仕上がりが逆に新鮮なカメラ。
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