突然ですが、最後に夫婦でツーショット写真を撮ったのはいつでしょう?「新婚時代はよく撮っていたけれど、最近はあまり...」そんな方も多いかもしれません。今回のインタビューに登場していただくのは、Instagramでフォロワー75万人超・おしゃれなリンクコーデが話題の夫婦・bonponさん。おふたりに夫婦で写真を撮ることや日々の暮らしについてお話を聞いてきました。
写真は楽しさの記録 気取らず気負わず夫婦の時を写真で刻む
−おしゃれを楽しむ夫婦の日常を綴るInstagram(以下、インスタ)が大人気のbonponさん。お話を伺えるのを楽しみにしていました!
bonさん(夫)&ponさん(妻):今日はよろしくお願いいたします〜!
−まずはインスタで投稿している写真についてお話を聞かせてください。おふたりのリンクコーデ写真は、投稿した瞬間に「いいね!」が殺到。憧れの夫婦として日本のみならず海外からも大人気ですね。
ponさん:そう言っていただけてとてもうれしいのですが、なんだか信じられません(笑)。昔から写真は撮っていましたけれど、それは家族でおでかけしたときに娘たちを撮ったり、景色を撮ることがほとんど。夫婦で写真を撮り始めたのはここ最近ですね。
−インスタを始めたきっかけは娘さんが撮ったbonponさん夫婦の写真が好評だったから、なんですよね。
bonさん:次女が私たちのリンクコーデ写真をインスタに載せたとき、たくさんの「いいね!」がついたんです。「ふたりのアカウントを作ってやってみたら?」と勧められて始めました。でも、夫婦のおしゃれ&おでかけを記録しているだけだし、こんなに反響があるとは思ってもみなかったです。
−ふたりの写真はチャーミングな空気感がいつも伝わってきます。写真を撮る際にこだわっていることはありますか?
bonさん:どこかへ出かけたときや天気が良い日に撮るようにしています。スマートフォンに三脚をつけてセルフタイマーで撮っているので、なるべく人が少ない場所を選ぶのもポイントです。
ponさん:秋田に住んでいた頃は娘が撮ってくれていましたが、bonが定年退職して昨年4月に仙台に引っ越してからはふたりきり。だから撮影前が結構慌ただしいんです(笑)。
bonさん:ぼくが先に撮影場所に立って、ponがスマホの画面を見ながら「ちょっと右に行った方が良いかも」「そこだと頭が切れちゃうから動こう」など立ち位置の指示をしてくれます。で、撮影場所が決まったら3枚くらいパパっとすばやく撮ります。
ponさん:撮った中から一番良いものを選んで、投稿します。明るさとコントラストを調整するくらいで、フィルターをかけたり、色の調整はしていないですね。
−リンクコーデはもちろんのこと、表情やポージングがいつもかわいくて素敵です。
ponさん:うふふ。
bonさん:ぼくは表情を作るのになかなか苦労しています(笑)。というのも、そもそも夫婦で記録として撮っているだけですから、「笑う」っていう感覚がないんですよ。ありがたいことに最近取材を受ける機会が増えて、カメラマンさんに「笑って」って言われるんですけど、笑えないんですよね。顔がひきつってしまって(笑)。
ponさん:でも最近、だいぶ口角が上がるようになったよね。
bonさん:ちゃんと笑わないと、カメラマンさんがシャッターを押してくれないから(笑)。
−きっと今、人生の中で一番夫婦写真を撮っているでしょうね。
bonさん&ponさん:そうですねえ。
−この秋、夫婦で写真を撮りに行きたい場所はありますか?
bonさん:紅葉を見に行きたいです。秋田から仙台に引っ越したばかりなので、近くをおでかけするのが本当に楽しくて。たとえば栗駒山や鳴子温泉あたりは紅葉が美しいと聞いているのでタイミングが合えば行ってみたいな。
ponさん:ハーフパンツ履いて、帽子かぶって、ボーダーのTシャツでリンクコーデしたらかわいいかもね。
−ふたりにとって夫婦で写真を撮ることとは?
ponさん:夫婦の記録ですね。ふたりでおしゃれをしておでかけすると楽しいので、そのワクワクを残すために写真を撮っています。
bonさん:元気な自分たちの証かな。いずれ足腰も弱くなって色々な場所に行けなくなると思います。だから撮った写真を見返すのが今から楽しみです。これからも変わらず、私たちのペースで夫婦写真を撮っていきたいです。
夫婦は意外とバラバラ? 互いの「好き」を尊重し、機嫌よく過ごす
−インスタで人気を集めているのがbonponさんの日々のファッション。宝島社より9月に出版された3冊目の書籍『bonponのプチプラ着こなし便利帖』では、年齢を問わず真似できる着こなしルールがたっぷり掲載されていて「明日、何着よう?」とワクワクできる内容でした。本の制作にあたって、印象に残っていることはありましたか?
ponさん:スタイリストさんに協力してもらって、今までやったことのない着こなしに挑戦したことです。例えば、私は前開きのワンピースをコート風に着こなすというコーディネート。「ワンピースの上にワンピースを羽織るという着方もあるんだ〜!」と新鮮でしたし、普段も取り入れるようになりました。
bonさん:僕は花柄シャツを着たのが挑戦でしたね。正直「花柄は今の自分には似合わない」と思ってました。でも、着てみたら...
ponさん:意外と似合ってたね。
bonさん:小花柄だったし、そんなに違和感なく着られたんです。むしろジャケットの間からちょい見せするのはおしゃれだと思いました。年を重ねても花柄って着られるんだなぁ、と(笑)。
−夫婦で色や柄を合わせることってどんな楽しさがありますか?
ponさん:出かけるとき全くバラバラの服装より、ちょっとお揃いにすることでおでかけ自体の楽しさが増す気がします。
bonさん:TPOみたいな感覚なんです。美術館に行くときはきれいめのニットを選ぶとか、場所やシチュエーションに合わせてふたりで洋服を選んでいくことが楽しいです。
ponさん:とは言え、ペアルックは恥ずかしいけどね。
bonさん:今日も全く同じ赤のカーディガンを着ていたらペアっぽくなっちゃうので、色と形を変えたね。
ponさん:最近は近所のスーパーへ買い物に行くときもお揃い感を意識するようになったしね。
bonさん:ありがたいことに仙台で声をかけてくださることが多くなってきて。近所を歩くときも、あまりだらしない格好はしないようにしています。穴の空いたジャージなんてとんでもないな、と(笑)。
−穴の空いたジャージ、持ってるんですか?
bonさん:ふふふ、それはまあ(笑)。でもふたりで買い物しているときに、ジャージってわけにもいかないなぁ、と。
−お話を聞いていると、おふたりの掛け合いが絶妙で仲良しだなあ〜とうらやましくなります。仲良く生活する上で大事にしているルールはありますか?
bonさん:ふたりだけだから、機嫌良くしていたいですね。
ponさん:うんうん。
bonさん:大ざっぱな回答ですみません。でも、一緒に生活するなら機嫌良い方がいいじゃないですか。
ponさん:ふたりだからケンカしても仲介してくれる人がいないし、気まずくなる時間がもったいないね。
−機嫌良く過ごすために心がけていることはありますか?
ponさん:なんだろう...あんまり相手に「こうすべき」って、自分の考えを押し付けないようにしているかな。
bonさん:うん。かっこ良く言えば、相手を尊重してやりたいことを自由にさせているかもしれません。
ponさん:私たち、同じ部屋にいても会話もなく、それぞれ好きなことをやっている夫婦なんです(笑)。
bonさん:本が読みたければ読めばいいし、映画を観たければ観ればいい。相手の「好き」を邪魔しない。
ponさん:でも映画はふたりが観たい作品が一致することも多いから、一緒に観に行くこともあるね。
bonさん:割と趣味が似ているので、そこでつながっているのかも。たとえばアートや絵なども好きな傾向が似ているので、美術館に一緒に観に行ったりしますね。
−それぞれの「好き」は尊重しつつも、共通点もある所が仲良しの秘けつなのかもしれませんね。最後に、夫婦一緒にいることで「幸せだな〜!」と思う瞬間を教えてください。
bonさん:ちょっと具体的なんですけれど...。僕たちネコを飼っていて。夜、ponが寝ているときにネコがそろりとponのおなかに乗っかって、一緒にすやすや眠っているのを見るときが幸せです。ネコはponのおなかの上でぬくぬくと丸くなっているし、ponはすやすや寝てるし、この光景良いなあって思って眺めています。
ponさん:うふふ。私はbonが退職してふたりでゆっくりできる日々がやっと来たー!と思っていて。毎日がただただ幸せです。
bonさん、ponさん、素敵なお話ありがとうございました!
bonpon
1980年5月11日に結婚し、結婚38周年を迎えた夫婦、bon(夫)とpon(妻)。共にグレイヘア&メガネがトレードマークで、2016年12月からインスタでリンクコーデをアップし、憧れのオシャレ夫婦として支持を得ている。夫婦の仲むつまじい姿は国内外から反響を集め、2018年10月現在、フォロワー数は75万人以上。著書に『bonとpon ふたりの暮らし』(主婦の友社)、『セカンドライフ、はじめてみました』(大和書房)がある。
Instagram:https://www.instagram.com/bonpon511/
『bonponのプチプラ着こなし便利帖』(宝島社)
プチプラブランドをオシャレに着こなす、インスタグラムで活躍中のbonさんとponさん。本書では、そんなbonさんとponさんが便利で頼りになるというプチプラブランドを厳選して、ファッションのコーデ術を大紹介。目からウロコのリンクコーデなど、ムリのないオシャレのある暮らしを毎日かなえるハウツーが満載。お財布にやさしく誰でも真似できるオシャレ術を紹介します。
Photo & Writing by 忠地七緒