デジカメやスマホが普及し、写真を撮る手軽さは増した一方で、プリントへのハードルが高くなった......なんて方も多いのではないでしょうか。
しかし写真を形に残すことの価値や、プリントした写真に込められた想いは、いつの時代も色褪せません。
今回はそんな「写真を撮ること」「プリントすること」について、富士フイルムが運営する公式ネットプリントサービス「FUJIFILM プリント&ギフト」の担当の藤堂正寛さんに聞きました。
聞き手はフォトグラファー兼ライターの相沢亮さん。写真を愛するふたりがプリントに込める想いや愛を、じっくりと紐解いていきます。

左:藤堂正寛さん、右:相沢亮さん
藤堂正寛さん
富士フイルムが運営する公式ネットプリントサービス「FUJIFILM プリント&ギフト」の担当。1997年富士フイルム株式会社入社。Webサイトの開発などデジタルマーケティングの推進に従事。アーティストのジャケット写真やファッションポートレートの撮影など、写真家としても精力的に活動する。
相沢亮さん
大学院在学中にカメラに出会い、2020年より東京を拠点に写真家・ライターとして幅広く活動。広告撮影、雑誌への寄稿、撮影のディレクション、イベントへの登壇など活躍の幅を広げる。
写真を撮ることの楽しみと「良い写真」とは
写真は「記憶の記録」、薄れていく幸せな記憶を残すこと
相沢亮さん(以下、相沢):藤堂さんにとって「写真を撮ること」とは何ですか。
藤堂正寛さん(以下、藤堂):写真は「キオクのキロク」だと思っています。目の前にある美しい光景や愛する家族の愛おしい瞬間があっても、どうしても記憶は薄れていくもの。その幸せだった時間を残すことができるのが、写真の本質であり素晴らしさだと思います。

自分や身近な人にとって残したい瞬間を切り取った写真こそが「良い写真」
相沢:写真を撮っていると日々、「"良い写真"とはなんだろうか?」と思うのですが、藤堂さんが思う「良い写真」についてお伺いしたいです。
藤堂:良い機材を使って、奇跡的な瞬間を捉えるのも確かに素晴らしい写真だとは思うのですが、それだけで「良い写真」かどうかが決まるわけではありません。それよりも自分自身や身近な家族が良いと感じる、「想い」が写っている写真こそが本当の意味での「良い写真」だと思います。
相沢:心が動いた瞬間にシャッターを押す。「良い写真を撮ろう」と気負わなくても、家族など身近な人との大切な瞬間を残すことができたら、それだけでもう良い写真なのですね。
藤堂:まさにそうです。写真には家族の自然な距離感や愛情の目線が現れます。いわゆる"映え"を意識した写真も世の中にはたくさんありますが、自分だけがわかる、かけがえのない思い出や愛おしさを感じられる写真こそが、「良い写真」なのかなと思います。
さらに言えば、ブレていたりピントが合っていたりしなくても、思わずシャッターを押したならそれはあなたの心が動いた瞬間のはずです。だから、気を張らずに好きな写真をどんどんプリントして欲しいですね。
写真をプリントすることの価値とは

藤堂さんが撮影した風景とアート作品をWALL DECORに
幸せな瞬間にいつでも戻ることができる
相沢:手元にプリントとして残すことの価値はどんなところにありますか?
藤堂:部屋の中にプリントした写真があることで、毎朝起きた時や帰宅した時などに、幸せな瞬間が生活の中に寄り添うように存在していることですね。ふとした瞬間に目にすると、写真を通して記憶が蘇り、いつでも幸せだったその瞬間に戻ることができます。
大切な瞬間の記録を残すこと

写真から感じるご家族同士の自然な距離感が心地良い。撮影者である藤堂さんがご家族を見つめたときの愛おしさも感じる。
相沢:藤堂さんが作られたフォトブックのこのページの中で、左上の愛おしい表情でお母さんが赤ちゃんを見つめている写真がとても素敵に感じました。
藤堂:この写真は、以前住んでいた場所で簡易的な写真館を作り、定期的に同じ場所で妻と息子を撮影していた写真のうちの1枚なんです。
家族写真というと特別な場所で撮影したいとも思うのですが、自分にとって思い入れのある場所で撮った写真は心にぐっときます。
相沢:写真1枚に、素敵な思い出が詰まっているんですね。フォトブックで藤堂さんご家族の歩みの記録を垣間見て、僕も幸せな気分になっています。
藤堂:自分は写っていなくても、愛おしいと感じた自分の想いが詰まったフォトブックです。
大きくなって自分の子どもの頃のアルバムを見返したときに「お父さんがこんなにも自分のことを愛してくれていたんだ」ということを感じて、涙したという話を友人から聞いたことがあります。それを聞いて、子どもを見つめる親の愛情は写真から伝わると、改めて実感しました。
写真を贈ることで生まれるものとは
「喜んで欲しい」という相手の思いが詰まった制作過程が嬉しい
相沢:スマホやSNSで気軽に写真を見られる今、写真をプリントして贈ることは少しハードルが高いですよね。私もフォトブックを作ってみたことがあるのですが、「こんな風に作りたいな」と思いながらも、なかなか思うようにまとめられなかったことがありました。
藤堂:SNSなどで簡単に写真を共有できる今、プリントした写真を贈る機会は減りましたよね。写真を贈り物として受け取った側の経験として思うのは、まず手にした瞬間に「相手に喜んでほしい」という想いが伝わってきて、それがとても嬉しいということです。
自分のために「時間をかけて形にしてくれた」という過程自体に、感謝の気持ちが湧いてきます。
実際に友人から旅行の写真をまとめたフォトブックをいただいたときは、もう嬉しい気持ちで溢れましたね。
あとこれは送った側の経験談なのですが、やり始めるとたしかに大変な部分はあるのですが、一歩踏み出してみると、そのプロセスが案外、楽しいんですよね。
相沢:正解はないですし、自分が作るときは相手を喜ばせたいという気持ちが大切ですね。
子供の誕生日に壁一面に写真を飾って、家族で1年を振り返る

藤堂:フォトブック以外に、子どもの誕生日にその1年撮った写真を壁一面に貼って、家族全員で「この時はこうだったよね、ああだったよね」と家族の思い出を振り返ります。誕生日会の恒例行事です。
相沢:良いですね!ご両親もとても喜びそうですね、お子さんはその時どんな反応なのですか?
藤堂:子どもも覚えているんですよね、その写真を撮っていた日のことを。結構前の記憶なはずなのに、私自身忘れていたその時の会話なども教えてくれたりします。写真は記憶を呼び起こすためのきっかけになるんだな、と改めて思いますね。
相沢:たしかに!実家に帰った時などに、僕の祖母も写真を見ると「この時、こうで大変だったのよ」と写真がきっかけで、その時の思い出を楽しそうに話しますね(笑)。一瞬でその時に戻ったような感覚があります。
写真プリント商品を届ける者として

相沢:最後にプリント&ギフトの運営に込める想いを伺えますか。
藤堂:写真をプリントして形に残すことは、手間や時間がかかりますが、そのプロセスが思い出を振り返り、家族や友人との絆を深める愛おしい時間になると思っています。
写真は「記憶の記録」であり、家族の歴史や愛情を未来へとつなぐ大切な証。プリントは少しハードルが高いと思っている方にこそ、気軽に楽しんでいただくことで、より多くのお客様の幸せを形にするお手伝いをさせていただけたらと願っています。
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プリント&ギフトでは、「フォトブック」や「フォトカレンダー」、簡単に飾ることができる「WALL DECOR」や「+precious」、さらには「オリジナルマグカップ」や「オリジナルクッション」まで、写真をより楽しめるグッズを取り揃えています。
写真を形に残すことで伝わる想いや、その体験を通じて新たに得られるぬくもりを『写真と、ちょっといい暮らし』でも、お届けしていきたいと思います。
Photo by 古井 果歩
